WHAT is YELLOWKORNER?
イエローコーナー創始者ポールとアレックスの思い

毎日の生活に気軽にアートフォトを取り入れて欲しい。そんな願いからフランスで誕生したイエローコーナー。若手から著名作家まで幅広いラインナップのアート写真を手頃な価格で提供するブランドとして、世界に約100箇所のギャラリーを展開しています。そんなイエローコーナーの共同創始者であるポール・アントワンヌ・ブリアとアレキサンドル・ド・メッツのお二人に話を聞いた。


本やCDを購入するように気軽にアート写真を届けたい

YellowKorner は2006年に、当時「本やCDを購入するように写真も気軽に購入したい」と考えのもと起業しました。当時、さまざまなフェアや美術館で写真にフォーカスした企画が催されていましたが、学生で貧乏だった僕らにはそれらの作品を購入することができなかった。そこで、僕らでも写真を購入できるシステムを作ろうと思ったのです。シンプルに自分達の写真に対するパッションをみんなにシェアしたかったのです。

アートが一部ラグジュアリーと呼ばれるような時代になりましたが、アートは私にとってはラグジュアリーではありません。例えばアンリ・カルティエ= ブレッソンのサイン入りのオリジナルの作品はとても高価ですが、エディションが存在しない。彼はエディションをつけることで希少性を創出しなかったのです。彼のように、自身の作品に上限をつけたがらなかった写真家は少なくありませんでした。なので、エディションとアートフォトグラフィーは分けて考えなければならないと思います。

ただし、希少性と価格のバランスは確かに存在します。YellowKorner で扱う作品は1,000 枚程度のリミテッドエディションです。つまり、20 枚などの少数のエディションほどは高価ではない作品であり、起業の目的もここにありました。もう一つ、アートがラグジュアリーではないという理由は、アートはメッセージだからです。100 万枚出回るモーツァルトのCD は高価ではありませんが、モーツァルトの曲はアートそのものです。映画も同様です。安価な消費が可能ですが、その多くの作品はアートと呼べるようなものです。同様に、私たちの販売する作品も「メッセージ」です。私たちの扱う写真とギャラリーの扱う写真の違いは唯一、エディションの数の違いです。

写真は実用からアートの時代へ

写真のマーケット2000年代に入って大きな変革を迎えました。かつては今のアップル社よりも成功していたKodak 社がつぶれ、銀塩写真の時代が終わったのです。すべてはデジタルにとって変わられ、同時にすべての人が写真家になれるようになり、市場の原理も変わりました。写真が容易に売れた80 年代と現在は全く状況が異なります。さかのぼって、20 世紀の初めには、アートフォトのマーケット自体がありませんでした。写真はアートではなく、アンリ・カルティエ= ブレッソンも写真を撮り始めた当初はいわゆる「アーティスト」ではなかった。その意味でアートフォトは“写真が死んだときに生まれた” といえるでしょう。絵画もしかりです。絵画も建築やポートレートなど実用的な用途で重宝された時期がありました。絵画が写真の登場によってアートになっていったように、写真もそうなっていくのかもしれません。

 

一歩下がって状況を眺めてみると、アートフォトの概念はとても新しく、パリフォトは15 年、フォト・ロンドンやフォト・バーゼルはたったの2年ほどの歴史しかありません。写真の価格も、ここ10年で上がっているものが多い。(注:年数は全て2016年のインタビュー時のものとなります)つまり、アートフォトは何もかも始まりの段階に立っているといえます。銀塩写真が死んで、何が変わったか。みんな、写真をプリントしなくなった。それが一般的なデジタルフォトとの決定的な違いで、アートフォトはあくまでもペーパーにプリントしたものを指します。コレクターが写真を購入する理由は主に2つあり、まずは素敵なもの、主観的に好きなものをそばに置きたいから。次に、投資の目的です。市場の規模も価格も、両方拡張することが見込まれているので、これから先20 年ほどはアートフォトの重要性が増すといって間違いないでしょう。BRICs などの、中産階級の国民が増加した新興国では、ペインティングは比較的に売りにくい。なぜでしょうか。難解だからです。アートを知るには時間がかかります。しかし、写真は何人にも瞬時に訴えかけるパワーがあります。それはメッセージが直接的で強いからです。写真はつまり、容易で同時にモダンな側面を持ち合わせていて、この「モダン」な要素も現代人を惹き付けます。

固定概念にとらわれない目線を鍛えるきっかけに

YellowKorner のカスタマーは、投資目的ではなく、ただただそこにある写真を好きと感じて作品を購入します。ただ我々もパリフォトで購入するような有名なコレクターのカスタマーもいます。彼らもYellowKorner では自身が好きな写真を購入します。これらの購入パターンの違いは、プレタ・ポルテとオートクチュールの違いとも形容できるでしょう。「アートは中国語のようなもので、学ぶ必要があるのです」というピカソの格言がありますが、まさにイメージを捉えるための目線を鍛えるのには、時間がかかります。YellowKorner が固定概念にとらわれない目線を鍛えるきっかけづくりができれば、嬉しいですね。

出展:L’OFFICIEL Japan 2016 年4月号掲載記事 *一部を抜粋編集しており、場所や個人の名称は当時のものです。

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